【茨木のり子】心に響く名言・格言集22選!

茨木のり子の名言・格言集22選

1.

駄目なことの一切を 時代のせいにするな わずかに光る尊厳の放棄

※詩集『自分の感受性ぐらい』より

茨木のり子

2.

苛立つのを 近親のせいにはするな なにもかも下手だったのはわたくし

※詩集『自分の感受性ぐらい』より

茨木のり子

3.

ばさばさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて

※詩集『自分の感受性ぐらい』より

茨木のり子

4.

気難かしくなってきたの 友人のせいにはするな しなやかさを失ったのはどちらなのか

※詩集『自分の感受性ぐらい』より

茨木のり子

5.

初心消えかかるのを 暮しのせいにはするな そもそもがひよわな志にすぎなかった

※詩集『自分の感受性ぐらい』より

茨木のり子

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6.

わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた そんな馬鹿なことってあるものか ブラウスの腕をまくり 卑屈な町をのし歩いた

※『わたしが一番きれいだったとき』より

茨木のり子

7.

人間だけが息つくひまなく動きまわり 忙しさとひきかえに大切なものをぽとぽとと落としてゆきます

※『十二月のうた』より

茨木のり子

8.

死こそ常態 生はいとしき蜃気楼

※『さくら』より

茨木のり子

9.

もはや いかなる権威にも倚(よ)りかかりたくはない ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい じぶんの耳目 じぶんの二本足のみで立っていて なに不都合のことやある 倚りかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ

※『倚かからず』より

茨木のり子

10.

ひとりの人間の真摯な仕事は おもいもかけない遠いところで 小さな小さな渦巻きをつくる

※『小さな渦巻』より

茨木のり子

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11.

生きてゆくぎりぎりの線を侵されたら 言葉を発射させるのだ ラッセル姐御の二丁拳銃のように 百発百中の小気味よさで

※『おんなのことば』より

茨木のり子

12.

世界に別れを告げる日に ひとは一生をふりかえって じぶんが本当に生きた日があまりに少なかったことに驚くだろう

※『ぎらりと光るダイヤのような日』より

茨木のり子

13.

人間の仕事は一代かぎりのもの 伝統を受けつぎ 拡げる者は その息子とは限らない その娘とは限らない

※『最上川岸』より

茨木のり子

14.

まきこまれ ふりまわされ くたびれはててある日 卒然と悟らされる。もしかしたら たぶんそう 沢山のやさしい手が添えられたのだ。一人で処理してきたと思っている。わたくしの幾つかの結節点にも 今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで

※『知命』より

茨木のり子

15.

初々しさが大切なの 人に対しても世の中に対しても 人を人とも思わなくなったとき 堕落が始まるのね

※『汲む』より

茨木のり子

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16.

言葉が多すぎる というより 言葉らしきものが多すぎる というより 言葉と言えるほどのものが無い この不毛 この荒野 賑々しきなかの亡国のきざし さびしいなあ うるさいなあ 顔ひんまがる

※『賑々しきなかの』より

茨木のり子

17.

子供たちには ありったけの物語を話してきかせよう やがでどんな運命でも ドッジボールのように受けとめられるように

※『おんなのことば』より

茨木のり子

18.

年老いても咲きたての薔薇 柔らかく 外にむかってひらかれるのこそ難しい

※『汲む』より

茨木のり子

19.

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな ぎこちない挨拶 醜く赤くなる 失語症 なめらかでないしぐさ 子供の悪態にさえ傷ついてしまう 頼りない生牡蠣のような感受性 それらを鍛える必要は少しもなかったのだな

※『汲む』より

茨木のり子

20.

人間は誰でも心の底に しいんと静かな湖を持つべきなのだ

※『みずうみ』より

茨木のり子

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21.

ことしも生きてさくらを見ています。ひとは生涯に何回ぐらいさくらをみるのかしら

※『さくら』より

茨木のり子

22.

私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。この家も当分の間、無人となりますゆえ、弔慰の品はお花を含め、一切お送り下さいませんように。返送の無礼を重ねるだけと存じますので。“あの人も逝ったか”と一瞬、たったの一瞬思い出して下さればそれで十分でございます

※生前の手紙(遺言)より

茨木のり子